はじめてのラブホ飯はかなりまずかった。
これならどっかで軽食とった方がマシってレベル。
俺のカツカレーもうっすいカツで、駄菓子のカツじゃないよね? って怒りの電話を入れたかった。
アンナもパスタが味が薄いと顔をしかめる始末。
やはり『行為』優先だから味は無視か?
「ふぅ、あまり旨いものではなかったな」
「う、うん……」
さすがのアンナもドン引き。
しばらくすると、部屋のチャイムが鳴った。
どうやらコスプレのご到着のようだ。
「はい、こちらです…」
陰気なおばさんがお届け。
目も合わさずにブツだけ渡すと足早に去っていった。
やはりアレか? 俺とアンナが行為に及ぶとでも疑っているからか。
いや、しないし無理だからね。
「ん? なんだこれ……」
渡されたハンガーは二つ。
俺たちが頼んだのは一つだけなんだが……。
ドアを閉めて部屋に戻るとアンナが、チラチラとこちらをうかがっている。
「どうかした? タッくん……」
頬を赤らめて、上目使い。
可愛いやっちゃのう。
「いやな…頼んだのは一つなのに二つあったんだよ」
ハンガーには薄い布で覆われていて、中が確認できなかった。
俺が布を外すとそこには目を疑うものが……。
「こ、これは……」
サテン製のピンクメイド。
しかもかなりのミニ丈。
パンモロになるのでは?
「すごい! カワイイ~☆」
手を叩いて喜ぶアンナ。
ああ、ピンクだからか?
「もう一つはなに?」
首をかしげるアンナ。
「俺は頼んでないぞ」
「開けてみて」
「うむ…」
俺が最後の一つを開けると、アンナは顔を真っ赤にしていた。
わぁい! やったやった!
みーんな、だいすき! スクール水着(90年度版)
「……」
絶句するアンナ。
「こ、これは何かの間違いだ、アンナ。着なくていいぞ?」
俺までうろたえる。
ホテルの従業員め、なにをやっているんだ!?
ちょっと嬉しいサプライズじゃないか!
「タッくんは……見たい?」
「え?」
「その……水着」
身体をモジモジとさせて、こちらの顔を伺う。
「俺がか?」
「うん……タッくんが見たいならいいよ?」
マ、マジで!?
しかし、ええのんか。
「見てもいいのか?」
「だって、どうせそのメイドさんもかなりのミニだからパンツ見えちゃいそうだし……水着なら見えても平気だから」
なるほど!
「ならば、依頼しよう。俺は見たい」
「じゃ、じゃあちょっと待ってて……」
彼女は静かにハンガーを受け取ると、スッと更衣室へ向かった。
もう覚悟を決めた顔のようだ。
パタンと引き戸が閉まる音と共に、俺はベッドに腰を下ろす。
別に行為をするわけではないのだが、胸のドキドキが止まらない。
口から心臓が飛び出そうだ。
「お、落ち着け、琢人……」
気を紛らわすため、テーブルの上にあったリモコンを取る。
「テ、テレビでも観よう」
そう言ってボタンをつけた瞬間、モニターには真っ裸の女が……。
『あーーーん! すごぉぉい!』
『もっと! もっと!』
『あああ、いぎぞう! ぐるぼじょびええええええ!」
俺はそっと電源を切った。
更衣室からガタン! と何か鈍い音が聞こえる。
アンナがこけたのだろうか?
「すまない、アンナ。聞こえたか?」
俺が扉越しに声をかけた。
「ううん! き、聞こえてないよ」
いや、絶対聞いてただろ?
いかんな、俺もアンナもこの18禁の空気に飲み込まれそうだってばよ。
~10分後~
「お、お待たせ……」
扉がスッと開くと、そこには可愛らしいメイドさんが立っていた。
プロも顔負けのルックスでスカートの裾を恥ずかしそうに掴んでいる。
頭にはプリム、胸元がザックリ開いたミニ丈メイド服、太ももを覆うオーバーニーソックス。
完璧だ。
「どう? 感想は?」
「……」
あまりの可愛さに俺は言葉を失っていた。
「タッくんてば」
「ああ……可愛い。すごく可愛い、世界で一番……」
すらすらと頭に浮かんだ気持ちが、口からすべる。
「うれしい☆」
微笑むアンナ。
「あれ……俺、いま変なこと言ってなかったか?」
「全然! 嬉しいことだけ☆」
「そ、そうか……なあ、アンナさえ良ければ、写真を撮ってもいいか?」
これは帰って今夜のおかずに……いや、永久保存不可避である。
「え、なんに使うの?」
「それは……」
ナニかである。
しばらく俺をじっと見つめたあと、アンナはこう言った。
「ねぇ、タッくん? あのひなたって子は、アンナみたいなことしてない?」
その目は少し意地悪そうだ。
「ひ、ひなた? ああ、するわけがないじゃないか!」
思わず語気が強まる。
だってひなたなんてどうでもいい。
それよりも目の前のメイドさん。
「そうなんだ☆ じゃあたくさん撮ってね☆」
アンナは壁の前に立つと、可愛らしくピースする。
「ああ、じゃあ、はじめるぞ」
俺はもう頭のネジがゆるっゆるになっていた。
興奮で我を忘れて、アンナに次々とポーズを要求。
それをスマホにおさめる。
「じゃあ、メイドさんっぽいポーズで!」
「おかえりなさいませ、旦那様☆」
礼儀正しく頭を垂れるメイドさん。
ネコ耳としっぽはオプションでないのか! バカヤロー!
「ふ、ふむ、ただいま」
なんとなくアンナの芝居に乗っかる俺。
「旦那様? お外でアンナ以外の女の子と仲良くしてませんか?」
「するわけないだろう」
なにをやっているんだろう、男同士で……。
「本当ですか……? 旦那様はモテますもの」
何を思ったのか。俺の身体に身を寄せるアンナ。
「旦那様に近寄る女はアンナがぶっ飛ばしてあげます☆」
そんな可愛い顔で怖いこと言うなよ……。
俺とアンナはその後も写真大会を楽しんだ。
「旦那様、次のポーズはどうします?」
「つ、次はネコのポーズだ!」
「にゃーん☆」
「ちーずにゃん!」
悪ノリがすぎるだろ、俺たち。
「にゃんにゃん☆」
猫のポーズで思いっきりぶりっ子するアンナ。
「まだ撮るにゃん!」
なぜ人はネコを選ぶのだろうか?
俺は犬派だというのに……。
素晴らしい世界だ。
「タクにゃん☆」
気がつけば、撮り続けた写真は現在105枚。
連写モードでな。
そして、ムービーも同時に撮っている。
帰ってPCに保存しなきゃな!
これならどっかで軽食とった方がマシってレベル。
俺のカツカレーもうっすいカツで、駄菓子のカツじゃないよね? って怒りの電話を入れたかった。
アンナもパスタが味が薄いと顔をしかめる始末。
やはり『行為』優先だから味は無視か?
「ふぅ、あまり旨いものではなかったな」
「う、うん……」
さすがのアンナもドン引き。
しばらくすると、部屋のチャイムが鳴った。
どうやらコスプレのご到着のようだ。
「はい、こちらです…」
陰気なおばさんがお届け。
目も合わさずにブツだけ渡すと足早に去っていった。
やはりアレか? 俺とアンナが行為に及ぶとでも疑っているからか。
いや、しないし無理だからね。
「ん? なんだこれ……」
渡されたハンガーは二つ。
俺たちが頼んだのは一つだけなんだが……。
ドアを閉めて部屋に戻るとアンナが、チラチラとこちらをうかがっている。
「どうかした? タッくん……」
頬を赤らめて、上目使い。
可愛いやっちゃのう。
「いやな…頼んだのは一つなのに二つあったんだよ」
ハンガーには薄い布で覆われていて、中が確認できなかった。
俺が布を外すとそこには目を疑うものが……。
「こ、これは……」
サテン製のピンクメイド。
しかもかなりのミニ丈。
パンモロになるのでは?
「すごい! カワイイ~☆」
手を叩いて喜ぶアンナ。
ああ、ピンクだからか?
「もう一つはなに?」
首をかしげるアンナ。
「俺は頼んでないぞ」
「開けてみて」
「うむ…」
俺が最後の一つを開けると、アンナは顔を真っ赤にしていた。
わぁい! やったやった!
みーんな、だいすき! スクール水着(90年度版)
「……」
絶句するアンナ。
「こ、これは何かの間違いだ、アンナ。着なくていいぞ?」
俺までうろたえる。
ホテルの従業員め、なにをやっているんだ!?
ちょっと嬉しいサプライズじゃないか!
「タッくんは……見たい?」
「え?」
「その……水着」
身体をモジモジとさせて、こちらの顔を伺う。
「俺がか?」
「うん……タッくんが見たいならいいよ?」
マ、マジで!?
しかし、ええのんか。
「見てもいいのか?」
「だって、どうせそのメイドさんもかなりのミニだからパンツ見えちゃいそうだし……水着なら見えても平気だから」
なるほど!
「ならば、依頼しよう。俺は見たい」
「じゃ、じゃあちょっと待ってて……」
彼女は静かにハンガーを受け取ると、スッと更衣室へ向かった。
もう覚悟を決めた顔のようだ。
パタンと引き戸が閉まる音と共に、俺はベッドに腰を下ろす。
別に行為をするわけではないのだが、胸のドキドキが止まらない。
口から心臓が飛び出そうだ。
「お、落ち着け、琢人……」
気を紛らわすため、テーブルの上にあったリモコンを取る。
「テ、テレビでも観よう」
そう言ってボタンをつけた瞬間、モニターには真っ裸の女が……。
『あーーーん! すごぉぉい!』
『もっと! もっと!』
『あああ、いぎぞう! ぐるぼじょびええええええ!」
俺はそっと電源を切った。
更衣室からガタン! と何か鈍い音が聞こえる。
アンナがこけたのだろうか?
「すまない、アンナ。聞こえたか?」
俺が扉越しに声をかけた。
「ううん! き、聞こえてないよ」
いや、絶対聞いてただろ?
いかんな、俺もアンナもこの18禁の空気に飲み込まれそうだってばよ。
~10分後~
「お、お待たせ……」
扉がスッと開くと、そこには可愛らしいメイドさんが立っていた。
プロも顔負けのルックスでスカートの裾を恥ずかしそうに掴んでいる。
頭にはプリム、胸元がザックリ開いたミニ丈メイド服、太ももを覆うオーバーニーソックス。
完璧だ。
「どう? 感想は?」
「……」
あまりの可愛さに俺は言葉を失っていた。
「タッくんてば」
「ああ……可愛い。すごく可愛い、世界で一番……」
すらすらと頭に浮かんだ気持ちが、口からすべる。
「うれしい☆」
微笑むアンナ。
「あれ……俺、いま変なこと言ってなかったか?」
「全然! 嬉しいことだけ☆」
「そ、そうか……なあ、アンナさえ良ければ、写真を撮ってもいいか?」
これは帰って今夜のおかずに……いや、永久保存不可避である。
「え、なんに使うの?」
「それは……」
ナニかである。
しばらく俺をじっと見つめたあと、アンナはこう言った。
「ねぇ、タッくん? あのひなたって子は、アンナみたいなことしてない?」
その目は少し意地悪そうだ。
「ひ、ひなた? ああ、するわけがないじゃないか!」
思わず語気が強まる。
だってひなたなんてどうでもいい。
それよりも目の前のメイドさん。
「そうなんだ☆ じゃあたくさん撮ってね☆」
アンナは壁の前に立つと、可愛らしくピースする。
「ああ、じゃあ、はじめるぞ」
俺はもう頭のネジがゆるっゆるになっていた。
興奮で我を忘れて、アンナに次々とポーズを要求。
それをスマホにおさめる。
「じゃあ、メイドさんっぽいポーズで!」
「おかえりなさいませ、旦那様☆」
礼儀正しく頭を垂れるメイドさん。
ネコ耳としっぽはオプションでないのか! バカヤロー!
「ふ、ふむ、ただいま」
なんとなくアンナの芝居に乗っかる俺。
「旦那様? お外でアンナ以外の女の子と仲良くしてませんか?」
「するわけないだろう」
なにをやっているんだろう、男同士で……。
「本当ですか……? 旦那様はモテますもの」
何を思ったのか。俺の身体に身を寄せるアンナ。
「旦那様に近寄る女はアンナがぶっ飛ばしてあげます☆」
そんな可愛い顔で怖いこと言うなよ……。
俺とアンナはその後も写真大会を楽しんだ。
「旦那様、次のポーズはどうします?」
「つ、次はネコのポーズだ!」
「にゃーん☆」
「ちーずにゃん!」
悪ノリがすぎるだろ、俺たち。
「にゃんにゃん☆」
猫のポーズで思いっきりぶりっ子するアンナ。
「まだ撮るにゃん!」
なぜ人はネコを選ぶのだろうか?
俺は犬派だというのに……。
素晴らしい世界だ。
「タクにゃん☆」
気がつけば、撮り続けた写真は現在105枚。
連写モードでな。
そして、ムービーも同時に撮っている。
帰ってPCに保存しなきゃな!