「ねえ。風見と付き合ってるって本当なの? 地元の友達がアンタと風見が二人でいたのを見たって言ってきてさー」

「絶対付き合ってるでしょ? そうじゃなきゃ風見君の事あんなに必死でかばわないじゃん。この前、すっごい剣幕で怒られたんだから、私」


会話が聞こえてきたけれど、ルカと友達になったわけじゃないみたいだった。

僕と離れたのに、何でルカがこんな目にあわなきゃならないんだ?

やっぱり、僕と出会ってしまった事が間違いだったんだろうな。

今さら離れたところで、ルカへの印象は変わらないという事か。


「それが……あなた達に何の関係があるんですか?」


怯む事無くルカがハッキリと言い返したのが、二人には気に入らなかったらしい。


「は?何ムキになってんの? イラつくんだけど」

「悠真君が呼んでるって言うから来たのに、嘘だったの? ……帰る」


どうやら僕がルカを呼んでいると騙して、ここに連れて来たようだった。

何でそんな嘘につられるんだよ……。

呆れて物も言えない。

ため息をついて、ルカの方へと向かう僕。

帰ろうとしたルカのカバンを掴み、彼女が帰るのを工藤さんが阻止した。


「何コレ、しあわせを呼ぶ砂だって、ダッサ!」


工藤さんがルカのカバンについていたお守りを引っ張り、キーホルダーが外れる。

隣の女子も、ケラケラと不快な笑い声をあげた。