「で、もういいですか? 今日、ラノベの新刊発売なんで早く本屋に行きたいんですよ」

「おいおい、待てって。……白石、相変わらず、女子に溶け込もうとしてないだろ? この前、体育の授業をチラッと見に行ったけど、隅で一人ぼっちでいたから」

「多分、僕のせいです。僕と一緒にいたから変な目で見られて、変な噂までたてられたし、面白おかしく尾ひれが付いて収拾付かなくなってるし」

「責任感じるなら、一緒にいてやりゃーいいじゃん」


状況を知らないからそんな無責任な事言えるんだよな、先生は。

僕は深いため息をついた。


「僕がいたって改善なんかしませんよ。そもそも一緒にいたから孤立しちゃったんだろうし。後はもう、先生が何とかしてくださいよ。……もういいですかね?」

「何でそんなへそ曲げてんの? 何、もしかして白石ちゃん、別に好きな人ができた? あ、もしかしてその相手は俺? だから悠真、機嫌悪いの?」


ニヤニヤしながら言うけど、この人本当にルカの事心配してんの?

どちらにしても、まあ楽しそうで何より。