一人になりたい宣言をしたせいか、ルカが僕に話しかけてくる事はなかった。

登下校も別だし、お昼も別。

織原は不思議がっていたけれど、もうこの学校にも慣れたし、女の友達作らないとダメじゃんと言ったら、納得していた。


「だから、僕が日常に戻っただけですって。そもそもあれは僕宛じゃなかったっぽいし」

「何、意味不明な事言ってんの。……あーあ。白石ちゃん、本気で悠真の事好きかもしれないのに、相手がこんな鈍感な男で可哀想。俺、慰めてあげちゃおうかな?」

「……教育委員会に訴えましょうか?」


聞く人が聞けば、とんでもない発言だ。

淡々と言うと、深澤先生が苦虫を嚙み潰したような顔をする。


「冗談に決まってんだろ? いい加減俺にツッコミ入れろよ。いつもいつも冷めた目で普通に返してきやがって」

「だって、めんどくさいじゃないですか」

「めんどくさいだと? 俺のありがたい教えをめんどくさいだと?」


先生、完全に僕のペースに巻き込まれていると思うんだけど。

人にペースを合わせるのがめんどくさいとか言っていたはずなのに、結局首突っ込んで世話焼いてるよな。

根はいい人なんだよな、わかってるよ。