中学の時は何を言われても動じなかったし、スルーできたのに。


「風見のくせにイキってて、ウケるんだけど」

「彼女の前だからいいカッコしようとでもしてんの? 痛すぎ」

「つーか、風見なんかどうだっていいよ。関わったって得なんかないし、もう行こうよ。時間の無駄」


一人がそう言うと、急に興味をなくしたのか、他の女子も僕らに目もくれる事無く行ってしまった。

勝手に絡んできておいて、時間の無駄とかどんだけ自己中なんだよ。

とんでもない襲撃にあったと、ドッと疲れが押し寄せて来る。

深いため息をついた後、何も言わないままのルカの方を向く。

幻滅されたかな……。


「……ほら。僕といると、嫌な思いしかしないから。やっぱり一緒にいない方がいい」

「そんな事ない。さすがに今のはちょっとビックリしたけれど、悠真君は何も悪い事してないよ? だから私が離れなきゃいけない理由はないよ」

「一緒にいる理由もないだろ? 友達第一号とか言った手前、離れにくくなってるのかもしれないけど、気にしなくて大丈夫」

「悠真君は、私が一緒にいたら迷惑?」


ルカが悲しそうに顔を歪ませながらそう問いかけて来た。

その顔を見た瞬間、心臓が凍り付くような感覚に陥る。

だって、あの時の兄貴の顔と重なったから。