お互いの事を知らないどころか、見せてない部分が多すぎるし。

チャイムが鳴り、納得いかないような顔で織原と深澤先生が教室に入る。

漫画のような出来事が起きるわけがない。

こんな僕にそんな事が起きていいわけがない。


自分の席に戻るとルカと目が合って、彼女は微笑んだ。

今朝、一緒に登校した時だって至って普通だった。




だから、バレンタインに贈られたキャンディに、特別な意味などないと思っている。