「良かったな、おめでとう」

「で、悠真はどうだった? 白石さんからもらえたんだろ?」


義理でももらえた事の優越感からか、織原は上から目線で聞いてくる。


「一応……」

「おお、スゲエ! じゃあ、ちゃんと付き合うんだ?」

「だから、何ですぐそういう風に話を結び付けるんだよ?」

「だって、登下校も一緒だし、昼休みも一緒だし、白石さんは女子の中に入ろうとしねーじゃん? それにプラスして悠真にバレンタイン渡したのなら、正式に付き合う事になったんだって思うのが普通じゃね?」


似たような話を昨日、深澤先生にもされたな。

ただ、納得はできなくて僕は首を横に振った。


「織原にとっては普通かもしれないけど、僕にとっては別に普通じゃないよ。告白されたわけじゃないし」

「なーんだ、義理チョコか。俺と一緒じゃん」

「同じじゃねーよ。僕はチョコ無理だから、チョコではないし」

「え、じゃあ物でもらったの?」

「いや、キャンディ」

「キャンディ? バレンタインにキャンディって珍しいな」


僕の答えに織原が不思議そうに首をかしげた。

昨日の僕と全く同じ反応をするから、やっぱり珍しいよな。