二年になって織原と同じクラスになり、出席番号が僕の前だから始業式当日からめちゃくちゃ話しかけられた。

淡白な反応しかしない僕に対して、何とか興味を引こうと、毎日のように、突撃して来る。

そんな無謀なチャレンジャーなんて一年の時はいなかったのに。

織原は楽しい事が大好きな奴だから、クラスでも部活でもムードメーカーで、常に盛り上がるネタを仕込んでいるし、友達も多い。

でもこんな性格が災いして、女子から友達としか見られなくなったとか、よく嘆いている。


「高校生活もあと一年しかないんだから、せめて残り一年くらい楽しく過ごそうぜー?」

「僕はじゅうぶん楽しいけど」

「いやいや、青さが全くない。人生一度きりなんだから、楽しまなきゃ損だろ?」


出た、織原の口ぐせ。

彼から見れば僕の人生つまらなそうに見えるかもしれないが、はしゃぐ事だけが楽しいわけじゃない。

僕は僕なりに楽しんでるんだから、別に青さが全くなくったっていいんだよ。

そう言い返そうと口を開きかけたら、朝のSHRの始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。