「って事で、風見悠真君。放課後、裏庭に来てください」

「……は?」


また始まった。

この急にルカの世界に引っ張られる感じ。


「だから、放課後。帰る支度したら、裏庭に来てね」

「いや、何なの?」

「来ればわかるから。絶対だよ?」


フフッと意味ありげに含み笑いをして、念を押すように言ったルカ。

今度は何を企んでいるのか……。

一体何なんだ?

ただ、来て欲しいと言っている以上、ルカが何を企んでいようと、もちろん、無視をする事などできるわけがない。

だって、下校も一緒なのだから。



帰りのSHRが終わるなり、カバンを肩にかけて颯爽とルカは教室を出て行った。


「悠真、また明日な」

「ああ。部活頑張って」

「いや、部活より、俺は今日チョコをいくつもらえるのかっていうのが大事だ」


教室を出ようとしたら織原が声をかけてきた。

部活よりチョコの方が大事か。