「ごめんごめん。俺みたいな大人の男が相手じゃなきゃ、ひとめ惚れなんてありえないな」

「もう話は終わりでいいですか?」

「おーい、放置すんな」


ツッコミも何もしない方が深澤先生にとってダメージが大きいらしい。

貴重な昼休みをこんなくだらない事で終わりにされてたまるか。


「あの、一つだけいいですか?」

「何だ?」

「白石は何でこんな中途半端な時期に転校してきたのか、理由を教えてもらえませんか?」


本人に聞けばいいものを、先生にこっそり聞くとか卑怯かもしれない。

でもきっとルカに聞いたところで、はぐらかされるに決まっている。


「さあ? 俺にもよくわかんないんだけど、成績から見たらもっといいとこに転校できたはずなんだよな。もちろん、学校が変わるという事で、白石本人が余裕を持って取り組みたかったのかもしれないけど」


深澤先生はマジな顔して首を傾げているから、しらばっくれているわけではないようだ。

それとも、絶対に言えない事情?