「なあ。悠真って、何でそんなに冷めてんだよ?」

「今に始まった事じゃないだろ」

「そうだけど……。冷めてる悠真しか見た事ないから、爆笑させる事が今年の俺の目標だったんだけどな」


しょげたように言う織原。


「初耳。そんなしょうもない目標作るなよ」

「よし。卒業までに絶対、悠真の事を爆笑させるって目標に変えよう」

「勝手に目標にすんなって」


つーか、転校生の話はどこ行ったんだよ。

こんな風に、織原は次から次へと話題を変えていく、僕の唯一の友人と呼べる存在。

織原が言うように、僕は高校に入学した時から冷めているというか、生きる事に無気力になっている状態だった。

僕がこの地球上に存在している理由がよくわからなくて、ただ毎日をぼんやりと過ごしている。

誰に声をかけられても適当にしか返事をしなかったし、誰かとつるんでワイワイやる気分でもなくて、ヘッドホンを装着してぼんやりと過ごしていた一年の時。

誰かの顔色をうかがう事もしなくていいし、一人でいるのがすごく楽だったから。