「白石さん、おはよう!」

「おはよう」


職員室に寄っていたルカが教室に来たようだった。

そばにいた女子に声をかけられて答えるルカ。


「白石さん、風見君と一緒に学校来たって本当? 昨日も一緒に下校したのを見た人がいるらしいけど、気をつけた方がいいよ?」

「何に?」

「風見君、不愛想で暗いし、何考えてるかわからない人なんだよね」


ロッカーの扉が開いているせいで僕の顔は見えていないはず。

だから、本人がまさか立ち聞きしているとは、夢にも思っていないだろう。

不愛想で暗いし、何考えてるかわからない人……か。


「そんな事ないよ。悠真君、優しいし、話すと楽しい人だよ?」

「え、まさか風見君と知り合い?」

「知り合いではないけど、一方的に私の方が知ってた感じかな」


ルカの答えに驚きの声をあげる女子。

つーか、聞いてる僕もビックリなんだけど、一方的にルカが知ってたって何だ?