「おはよう、悠真君! 良かった~。ちゃんと約束守ってくれたんだね」


午前7時50分。

約束した通り、マンションの前に立っていたら、エントランスから出て来るなり、ルカが笑顔で手を振りながら駆け寄ってきた。


「そりゃ、半ば強制的だったからな」

「念を押さなくても、悠真君なら来てくれると思ってたよ? だって悠真君は、薄情な人じゃないから」


別にルカにどう思われても良かったんだけど、あんなに念を押すように言われた以上、無視するわけにもいかなかったし、何より引っ越してきたばかりの転校生。

いくら面倒でも、放置はできないよな……。


「悠真君は部活に入ってないの?」

「入ってない。ルカは? 前の学校で部活やってたんじゃないの?」

「中学の時はテニス部だったよ。ケガしてできなくなって、やめちゃったけど」

「ふーん」


辞めなきゃいけないほどのケガを負ったって事?

腕? それとも足に?