ずっと休んでいた学校も、行けたところで心配される事はなかった。

子どもを救った英雄と、ビビって動けず何もできなかった臆病者。

兄貴じゃなくて僕が死ねば良かったのにと、聞こえるような声で言う奴もいた。

だが不思議と他人に言われても、動揺なんかしなかった。

逆に、その通りだ、もっと言えと、開き直ったかのように心の中で煽り続ける毎日だった。

それが生きる事に無気力になり、他人に何の興味も示さなくなった原因。




「悠真。おかわりたくさんあるから、いっぱい食べてね」


クリームシチューが出るたびに、母さんはそう言って笑顔を見せた。

それは僕にではなく、僕を通り越して、兄貴を見てる。

そんな状態でも、僕は自分で自分の人生に幕をおろす事はできない。