「悠真、知ってるか? 今日、うちのクラスに転校生が来るんだってよ」

「ふーん、そうなんだ?」


転校生が来るというビッグニュースを知って興奮気味に話す彼と、たいして興味を示さずにスマホをいじり続ける僕。

傍から見たらかなり温度差があるように見えていると思う。


「おい、反応薄すぎだろ。もっと食いつけよ」

「別に興味ない」

「少しは持てよー。それになんと、転校生は女子! 可愛い子かな?」

「……さあ?」

「お前、本当に健全な男子高生か? ここは喜ぶところだろ!」


素っ気なく答えた僕を説教するかのように彼……織原大貴は拳を作りながら熱く語りかけて来る。

心配されなくてもちゃんと僕は健全な男子高生をやれているし、転校生が女子だからって喜ばしい事でも何でもない。

ただ興味はないと答えたけれど、かなり中途半端な時期に転校して来るのかと若干、気にはなった。