「あー、なるほど。斗真が好きだったのこの子かー。わかる~!」


紙袋から作品を取り出し、どれも主役の女優が同じだったため、さっきまであった胸のつっかえが取れたらしい。

すごく晴れ晴れとした表情をしている。


「良かったですね、深澤先生。これからずっと安眠できますね」

「本当だよ。悠真も白石も俺の安眠を取り戻してくれた恩人だよ。ありがとう!」

「……帰ろうか、ルカ」

「そうだね」

「おうおう、気をつけてな!また明日!」


一人で盛り上がる深澤先生を置いて、二人でそっと帰路についた。


「良かったね、悠真君。ご両親とのわだかまりがなくなって」

「それについては、ルカに感謝してもしきれない。本当にありがとう」

「ううん。斗真さんが私に生きる希望をくれたからだよ。それに、悠真君が私の話を信じてくれたおかげだよ? だから私に感謝しなくてもいいの。悠真君が自分で希望への道を切り開いたのだから」


ルカはそう言って、ふんわりと優しく微笑んだ。

それでもルカがいなかったら、僕は希望への道なんか自分で切り開こうとはしなかった。

兄貴の強い想いをルカが受け止めてくれたおかげでもあるし。