社交的でいつでも明るいムードメーカーの織原が僕の事を親友だと思っていたなんてな。


「……変な事言うなよ。反応に困るだろ?」

「あ、照れてんの? 可愛いじゃん」

「うるさい。向こう行けよ」


織原に指摘されて、顔が熱くなる。

からかわれながらも、心の底から嬉しかった。




「ところでさー、斗真が最後に言いたかったのって何だと思う? 俺、気になって気になってずっと眠れないんだよね」


僕とルカが下校しようとしているところを深澤先生に呼び出されるのは、全然変わらない。

特に重大な議題があるわけでもなく、いつものように世間話。

今日のテーマは、兄貴が最後にどのセクシー女優の名を言おうとしていたか、についてだ。

つーか、暇なのか?

確か、バスケ部の顧問だったよな?

部活に顔を出さなくていいのかよ……。


「そもそも、兄貴が言おうとしていたのを止めたのは先生じゃないですか」

「そうなんだよなー。けど、止めてなかったらどうなってたと思う? 俺、絶対に風見家出禁になってたじゃん? それだけは何としてでも避けたかったのよ」


深澤先生が言うと、ルカはクスクスと笑った。