全て投げやりで卑屈に思っていた日々だったけれど、ルカのおかげで全て前向きに考えられるようになった。


「俺でも変えられなかった悠真を白石さんは簡単に変えちゃうんだもんなー。いやー、悔しいなー。やっぱり、友情より愛情のが勝るのか」

「別にそういう事じゃ……」

「いや、そうに決まってる。だって、今までどんなに俺が努力しても悠真の目の輝きは取り戻せなかった。死んだように濁ってた」


自分の目を指さして熱弁する織原に、ふんふんと頷きながら聞く僕。

まあ、自覚はあったよな。

だから余計に人が寄りつこうとしてこなかったわけだし。

僕だってクラスメイトにそんな人がいたら、近づかないと思う。

そんな負のオーラ全開の奴に近づいたところで、何の得にもならない。


「何があったのか知らないけど、なんか吹っ切れた感じ? 目はキラキラしているし、ああ、生きてるんだなってわかる」

「何だそれ」


熱く語る織原の言葉に思わず僕は笑ってしまった。

友人と呼べる人が増えたと同時に、女子から向けられる視線も変わった。

負のオーラがなくなったせいだろうけれど、以前のようにヒソヒソと噂される事はなくなったし、変な目で見られる事がなくなった。

多分、これもルカのおかげなんだろうな……。


「いや、嬉しいんだけどさ。なんか、風見悠真を取られちゃったみたいで、俺すっげー寂しいなー」

「何言ってだよ。お前は俺の他に友達いっぱいいただろ?」

「それでもさ、親友って思える存在は悠真だけだし」


友人のさらに上の、親友というポジション。