ルカもクラスの女子と打ち解け、仲のいい友人も増えた。

僕と一緒にいた事で、距離を置いていたようだけれど、ルカの持ち前の明るさに少しずつ引き寄せられたみたいだ。

兄貴のために今までの生活を犠牲にしてまで、僕の前に現れたルカ。

背負っていた荷物を全ておろし、これからは自分のためだけに生きていける。

輝いた未来を見るためには、視界が広くないとって言われて、長ったらしい前髪をルカに切る事を提案されて、切り落とした僕。

ついでに適当に伸びきっていた他の部分も美容院で切ってもらった。

鏡の中にいる自分が自分らしくなくて、直視できなかったけど。

織原の言うように、僕はかなりイメージが変わったらしく、少しずつクラスメイトから声をかけられるようになった。

人を寄せ付けないバリアを張っていたけれど、もうそれもおしまい。

戸惑いながらも受け答えをしていたら、面倒だとも思う事なんかなくなって、今では普通に織原以外の人も友人と呼べるようになった。