「悠真。また、自分のせいだと思ってるだろ? 誰もお前の事を責めてないし、誰が悪いわけでもない。みんな、向き合う勇気がなかっただけなんだよ」


僕の頭にポンと手を置いた深澤先生。


「お前は生きてる。今までのやり直しなんか、これからいくらだってできるよ。白石と斗真のおかげで、バラバラだった家族がまたひとつになれたんだから。……もう一人で抱え込んだり、卑屈になったりすんな。な?」


深澤先生の姿が涙でぼやけて見えなくなった。

いつも適当なのに、何でこんな時にカッコいい事をサラッと言えるんだよ。


「斗真じゃなくてあなたが死ねば良かったんだなんて、一度だって思った事なんかない。あなたは私たちの大事な息子。だから、ちゃんと自分の人生を後悔しないように生きていって。生きている意味がないだなんて絶対に思わないで。悠真までいなくなったら母さんは……」


口を手で押さえて泣き出す母さんの姿にズキズキと胸が痛む。