自分が殺した、だから自分で自分の人生を終わらせることはできないから、死んだように生き続けてるって、そんな事に何の意味があったんだ?

兄貴を殺した、だから罰を受け続けると自分に言い聞かせていたのに、ルカに言われて初めて気が付いた。

被害者意識をどこかで持っていた、偽りの加害者だったんだ。

兄貴がいるから、比較される。

兄貴がいないから、普通の人生を歩めない。

結局、僕は兄貴を言い訳にし続けて、何がしたかったんだ……?


「ふっ……」


その場に膝から崩れ落ち、外したメガネを握りしめて僕は畳を殴りつけながら泣いた。


「……悠真、君」


しゃがみこんで、ルカが僕の肩に手を置いた。

ルカの涙がポタポタと僕の頭に零れ落ちてくる。

何でこんな僕のために彼女が泣くんだ?

そんな事したって、何の意味もないのに……。


『悠真……』


その時だった。

どこからか僕の名を呼ぶ懐かしい声がした。