そこまでして兄貴がルカに託した伝言って一体何なのか?


「こんにちは、深澤です」


ガチャッとドアを開け、僕は先生とルカを玄関に招き入れる。

先生がいつものように大きな声で挨拶をすると、奥から母さんと父さんが揃って出て来た。

いつも仕事でこの時間にいないのに、いるという事は、兄貴の命日だから父さんは仕事を休んだのだろう。


「先生、いつもありがとうございます。斗真も喜んでいると思います。さあ、上がってください」

「……あら? こちらのお嬢さんは?」


先生に挨拶をした父さん。

母さんがルカに気が付いて声をかける。


「悠真君と同じクラスの白石琉花さんです。先日、都内の方から近所のマンションに引っ越してきた転校生で、悠真君と仲良くしています」

「ごめんなさいね、何も知らなくて。……白石さん、悠真と仲良くしてくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」

「あ、こちらこそ……」


母さんが頭を下げたので、ルカも慌てたように頭を下げる。