動機は薄いかもしれないけれど、それを悟られないように強めに言い放った。


「……そっか」


ルカはどこか寂し気に呟いたきり、何も言わなかった。



放課後。

昨日ルカと僕を閉じ込めた工藤さんともう一人の女子が二週間の停学になったと噂が広まっていた。

処分を受けた二人はすでに下校をした後だったので、なぜそうなったのか真偽を確かめる術もなく、面白おかしく話している人たちでいっぱい。

真相はおそらく、ルカを危険な目に合わせたせいだろう。

僕のクラクション恐怖症はそうでもないが、ルカの暗所恐怖症は下手すれば命の危険にかかわるほど重大だったと思う。

あの二人もまさかこんな、大騒ぎになるなんて思ってなかったんだろうな。


「二週間の停学じゃ納得いかないか。白石の事情を説明してはいなかったけれど、まさかこの年になって白石が暗い所に故意に閉じ込められるとは思わねーだろ。幸い、悠真がいたし、俺にすぐ連絡ついて助け出せたから良かったけどな。あの二人、こんな重大な事になるとは思ってなかったって泣きながら言い訳してたけど、閉じ込めていい理由にはならねーよな?」


また、帰る前に深澤先生に呼び出された僕とルカ。

ほとんどこの部屋には先生との世間話をする目的でしか入っていないと思う。