「これね、悠真君のお兄さんが高校に入ってすぐの遠足で行った水族館で買ったみたい」

「……え?でも、僕は兄貴がこれを持ってるのなんか、見た事ないけど……」

「お兄さん、机の中に入れっぱなしみたい。水族館のロゴが入った包みに入れたまま」

「自分に買って来たわけじゃないのか?」

「悠真君へのお土産みたいだよ。悠真君、お兄さんが高校に入った時にはすでに距離を置いていたんでしょう?」


いや、だからって、『しあわせを呼ぶ砂』かよ?

どういう思考回路だったんだよ……。


「いや、全然意味が分からない」

「……お兄さん、悠真君の幸せを心から願ってたんじゃないのかな? 距離を置いてたからという理由だけで買った物じゃないっぽいけど」


そんな事言われてもな……。

ルカに言われて何とも言えない気持ちになった。


「ルカはそれが見えたから、自分で買いに行ったのか?」


僕はルカの持つキーホルダーを指さして聞いた。