「本当に、こういう運命的な事ってあるんだな。……もちろん、ルカの行動力がなければ出会ってはいなかったんだろうけどさ。……まあ、兄貴がルカを選んだんだって事なのかな。ルカなら行動してくれると思ったんだろ? それともルカが兄貴の角膜を呼び寄せたのか……」


もちろん兄貴からの応えはない。

僕も寝起きで何やってんだろうな。


「兄貴が僕を恨んでなんかないっていうのはわかったけど、やっぱりあの時の僕の言葉は、許せないよな。兄貴が悪いわけじゃないのに、勝手に嫉妬して八つ当たりして。……僕の方がいなくなれば良かったのにって、まだ思うんだ。ただ、今までみたいに投げやりに生きるのはやめる。兄貴の分までちゃんと生きるよ」


胸の痛みはまだ消えないし、一生消えなくてもいい。

僕ができる事って、兄貴の分までしっかり生きる事しかないから。

これからどんな人生を歩んでいきたかったのか、わからないけれど、兄貴の理想の未来に近づけるように頑張るよ。