目覚ましのアラームよりも先に目が覚めてしまった。

時間を見るとまだ5時過ぎ。

昨日、ルカから色々と衝撃な事を聞いて、なかなか眠れなかったはずなのに、こんなに早く目が覚めるなんて。

ベッドからおり、自分の部屋を出て階段を降りる。

普段の朝なんて、時間ギリギリだから絶対に行かないけれど、昨日の事があったせいか、兄貴の顔が見たくなった。

深澤先生が僕を送り届けたついでに、焼香をしていって、兄貴に何かを話しかけていたけれど、僕はあえて同席していなかったから何を話していたのかはわからない。


「……とりあえず、キャンディ返してもらうわ」


勘違いから兄貴の祭壇にボトルキャンディを置いてしまったので、一言そう告げて僕はボトルを手にした。