車に乗り込むと、すぐそこの僕の家に到着する。

いつものように僕の家の車庫に車を停める先生。

だいぶ通い慣れてるよな……。


「斗真の残留思念、果たされた事になるんかな? もう白石の瞳には斗真の世界は映らなくなるんかな」


エンジンを切って、先生がポツリと呟いた。

果たされたのなら、ルカは今度こそ日常生活に戻れるだろう。

そうなると、兄貴はやっと成仏できるという事なのか?

死んでからもなお、僕が兄貴を苦しめていたという事になるのかな……?



車からおりて空を見上げると、スーッと一筋星が流れて消えた。