「深澤先生、いつか絶対罰当たりますよ。大体、あの兄貴にセクシー関連の物を勧めてどうするつもりだったんですか?」

危うくルカの母親の前で大失態を犯すところだった深澤先生。

先生は誤魔化すようにハハハと笑う。


「悠真はわかってないなー。斗真、意外に食いついてきたんだぜ?」

「成績優秀な教え子にそんな物お勧めするとか、最低な担任ですね。じゃ、失礼します」

「おい、乗れよ。送るから」


話を切り上げて家に向かおうとすると、先生が慌てて呼び止めた。


「遅くなったし、成り行きとはいえ一応ケガしてるから、説明しないと」

「ルカの角膜移植の事は言わないでくださいね」

「さすがに話しちゃまずいだろ。主治医が話さない事を俺が勝手に話すわけにはいかない」


さっきまでのヘラヘラした態度はどこへやったのかというくらい、急に真面目になる先生。