パタパタとテーブルの上に音をたてて涙がこぼれ落ちる。

嗚咽が止まらない。上手く呼吸ができない。

胸が苦しくて痛くてたまらない。


「悠真君、ごめんなさい。こんな事、出会ったばかりでは話せなかったし、悠真君ともっと距離が近くなってからって考えてたから。苦しませてごめんなさい」

「ルカのせいじゃないっ! 僕が臆病者だったから……っ!」


胸を抑えながら、何とか言葉を吐き出す。

そんな僕の頭を深澤先生がポンポンと撫でた。


「じゃあ白石ともだけど、白石を通して、悠真は斗真とも仲直りって事でいいよな?」

「……先生。そんなに軽い感じで大丈夫なんですか?」

「白石。俺のどこが軽く見えんだよ?」


先生の申し出に、ルカが疑い深い目を向けて聞いた。

すると、ルカの母親がいる前でいつもの調子で先生はルカに返す。


「滅多にやる気を出さないですよね? 今はちょっと別人かなって思うくらい真剣でしたけど、私は知ってるんですよ? 悠真君のお兄さんに、先生がおススメのセクシー……」

「おおっと! そっから先はダメ! 絶対ダメ!」


慌ててルカの言葉を遮り、先生は立ち上がって大きく腕でバツマークを作った。