ルカの瞳に一番最初に映し出されるという事は、生前の兄貴の中で、何よりも色濃く残っているという事。

ギュッとテーブルの下で拳を作る。

ルカの視線が段々、兄貴のものに見えてきて、僕は耐えきれずに目をそらし下を向いてしまった。

……そうだ。

ルカを見て時々、初めてじゃなくてどこか懐かしい感覚がした事があった。

また、ルカの表情が兄貴の表情とリンクした事もあった。

どうしてそんな事が起きたのか、ちゃんと理由があったんだ。

兄貴がルカの瞳になっていたから。

……織原が言ってたっけ。

転校生が女子だって確定して、悠真の運命的な出会いになるといいなって。

あの時はバカバカしいって鼻で笑ったけれど、結局、運命的な出会いとなった。

……運命的な出会いって、ロマンチストに聞こえるかもしれないけれど、時に残酷だ。

自分で自分の人生に幕を下ろせないこの僕に、兄貴は追い打ちをかけにきたというのか?