「……目を閉じるとね、瞼の裏がまるでスクリーンのように、悠真君の姿が映るの。今の悠真君じゃなくて、多分、中学時代の悠真君の姿」

「……え?」


どういう事……?

ルカの言う事がよくわからなくて思わず聞き返してしまった。

そんな僕を見て、ルカは困ったように眉を下げながら、微笑んだ。



ルカの母親が紅茶を入れ直してくれた。

この前一緒に出してくれた、あの美味しいクッキーもテーブルに並んでいる。


「悠真君、クッキーなら食べられるんでしょう? 遠慮しないで食べて」

「いや、でも今はそんな……」

「あんまり思いつめたような空気で話したくないから。先生もどうぞ?」


ルカはそう言ってクッキーを僕らに勧めると、自分は紅茶を一口飲んだ。


「じゃあ、いただこうか、悠真」

「あ、はい、そうですね。いただきます……」


確認するように先生を思わず見ると、先生も少し戸惑いがちに頷きながらクッキーに手を伸ばした。

僕も一枚手にして口にする。