「ルカ、大丈夫? 今、深澤先生に助けてもらうからちょっと待って……」


ため息をつきながらルカがいるとみられる方に顔を向けて言った。

結局、ルカがこんな目にあったのは僕のせいであって……。

離れても駄目なら、一体、僕はどうすりゃいいんだよ。


「いや……っ! やめてっ! 嫌だっ! いやああああああっ!」

「ルカ?!」


突然狂ったように叫び始めたルカに、驚いてしまった。

真っ暗で何も見えない中、ルカの叫び声だけが不気味に響き渡り、急いで僕はスマホを取り出してライトで照らした。

バタバタと急に暴れて、泣き叫びながらルカは頭を抱えている。

暗い所が苦手という可愛いレベルの物じゃなく、何かに取りつかれたかのようだった。

髪の毛をむしる様な勢いで掴み、発狂している。

驚きながらも彼女の元へ駆け寄り、ルカの顔にライトを近づける。


「ルカ、落ち着いて! 今すぐ深澤先生に連絡して出してもらうから……っ!」


スマホを操作してアドレス帳を開いた時だった。

暴れるルカに手を振り払われ、その拍子でスマホが僕の手から滑り落ちる。