翌朝、登校すると、梶君はいつも通り、長い前髪の下に黒ぶちメガネをかけた姿で、私の座席の後ろに座っていた。
「おはよう」
昨日のことがあるので、どんな反応を返してくるのだろうと思いながら挨拶をすると、
「……おはよう」
素っ気ない返事が返って来た。書店にいた時とは別人のようだ。
「あのさ、梶君。昨日のことだけど……」
私が口を開くと、梶君は、
「ストップ」
と言って、右の手のひらを私の方へ向けた。
「昨日のことなら、昼休みに説明する」
今は話せないときっぱりと拒否され、私は引き下がった。カバンを机の横に掛け、自分の席に腰を下ろす。
(昼休みになったら、本当のことを教えてくれる?)
梶君が、私の知らない一面を教えてくれるのだと思うと、「早く昼休みになればいいのに」と、楽しみな気持ちになった。
「おはよう」
昨日のことがあるので、どんな反応を返してくるのだろうと思いながら挨拶をすると、
「……おはよう」
素っ気ない返事が返って来た。書店にいた時とは別人のようだ。
「あのさ、梶君。昨日のことだけど……」
私が口を開くと、梶君は、
「ストップ」
と言って、右の手のひらを私の方へ向けた。
「昨日のことなら、昼休みに説明する」
今は話せないときっぱりと拒否され、私は引き下がった。カバンを机の横に掛け、自分の席に腰を下ろす。
(昼休みになったら、本当のことを教えてくれる?)
梶君が、私の知らない一面を教えてくれるのだと思うと、「早く昼休みになればいいのに」と、楽しみな気持ちになった。