けれど、フレンは翌日になっても姿を見せなかった。
 これはおかしい、と流石にグレイスは感じる。そもそも急用なら自分に直接ひとこと告げてくれるのが常であった。それもない。
 執事長に訊いても言葉を濁されるばかりで、埒が明かない。
 グレイスは仕方ない、と思い切った。
 父に訊くしかない。事情を知っていないはずがないのだから。
 そこで夕方、父の部屋へ向かったのだが。衝撃的な話に直面することになる。