(……第一声、なんて声をかけたら魅力的なレディに見えるかな……)


 時刻は10時29分58秒。いざ、出陣……!!





 ……してから、約15分後のことだった。
 待ち合わせ場所の駅前に到着してから、恋幸はさらに重大な要件を思い出し足を止める。

 大半を裕一郎に占領された脳みその空き容量2%で薄々「何か忘れている気がするな」と心の中にモヤモヤが漂ってはいたのだが、その『何か』をようやく思い出したのである。