翌日、午前8時29分32秒。裕一郎との待ち合わせ時間まで、残り――……2時間30分28秒。
 恋幸は昨日、自身が犯した“罪”の重大さに帰宅してから気が付いたのである。





(はぁー! 今日の裕一郎様もかっこよかったなー! 明日も会えるなんてハッピー! どんな服着よ、う……ハッ!?)





 それからは寝落ちする瞬間までずっと「裕一郎様、どんな服を着るんだろう……」「出かける時も常にスーツ派だったりするのかな……」などなど、『彼』が身につける布の種類で頭がいっぱいだった。