(手、裕一郎様の手……っ! おっきい……男の人みたいな手だ……)


 みたいな、ではなく裕一郎はしっかり『男』である。


「今日は、午後から半休に変更しました」
(半休に“変更しました”……?)
「ですので、こちらの仕事に関して貴女が心配すべき事は何もありません」
「そう、なん、ですね……良かったぁ……」


 安堵した恋幸がへらりと笑った瞬間――まるで引き寄せられるかのように裕一郎の片手が彼女の頭に伸びた。