一応プロという括りになるため一般人のフォローは歯を食いしばって我慢……控えているのだが、そんな友楽の存在が恋幸の心の支えになっているのは確かな事実である。


「よーし、元気出た!! 帰ったら執筆頑張るぞー!!」
「お客様、ここは真っ直ぐ行っていいですか?」
「あっ……! 右に曲がってください!!」





 恋幸のテンションが上がる一方で、


「社長、なんか機嫌良さそうっすね。彼女から連絡でも来たんすか?」
「……いいえ」
「ですよねー、まず彼女いませんもんね! 知ってました!」


 口の端をわずかに持ち上げながらアプリを閉じる裕一郎がいたことなど、彼女はまだ知るよしもない。