(えっ、と……?)
――……代表取締役。
その言葉の意味を、恋幸は頭の中で必死に考える。
いや……『普通』の大人であれば考えるまでもなく息継ぎを一つ終える頃には理解できていて然るべきワードだが、ただでさえ裕一郎を前にするとIQが著しく低下してしまう彼女は、驚きのあまり今だに理解が追いつかずにいた。
「……小日向さん?」
裕一郎の社員証に目線を向けた状態で口をぽかんと開けたままフリーズする恋幸を見て、彼は上半身を少し屈めると彼女の顔の前で片手をひらひらと振る。
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