「――っ!? 代表取締役……!?」
「……? はい、そうですが」


 周りの迷惑を考えて小声でそう漏らした恋幸に対し、裕一郎は事も無げにいつもの無表情で肯定する。


(代表取締役……代表、取締役……? 裕一郎様が、代表取締……)


 ――……恋幸の中で『代表取締役』の漢字5文字がゲシュタルト崩壊を起こすまで、残り8秒。