クリアケースに包まれたブラックのiFoneと星川の顔を交互に見やり、恋幸は眉を八の字にして唇を引き結ぶ。

 仕事中にスマートフォンを必要とする業種であるかどうかまでは把握できていないが、一般的な社会人を基準として考えれば、丸一日手元に無い状態というのは困る場面が多くなるのではないだろうか? いやもしかすると、外で失くしたのかもしれないと不安になっているのではないか?
 そう案じる心を恋幸の表情から感じ取った星川は、腕を組んで何か考えるような素振りを見せた。


「そうですねぇ……あっ!」
「!?」