その言葉の意味を恋幸のアホ毛では探知できず首を傾げるばかりだが、裕一郎は相変わらず口元に緩やかな三日月を浮かべたまま彼女の頬を指の背でついと撫でる。


「……可愛い」
「あ、ありがとうございます……!」
「……どういたしまして?」


 その後、「今夜は一緒に寝てくれませんか?」という裕一郎の問いに、


「毎晩でも喜んで!!」


 と答えた恋幸を彼はその腕に抱き、高鳴る鼓動を聞きながら一つの布団で眠りについた。