裕一郎が舌を絡めてくるだけでぞわぞわとしたものが肌を駆け抜け、下腹がずくりと(うず)いた。
 それはまるで、身体中の細胞から生毛の先に至るまでの全てが『彼』を求めているかのように感じてしまう。

 いや、


(裕一郎様……裕一郎様、大好き)


 その感覚は勘違いや錯覚などではなく、恋幸にとっては紛れもない真実であり、彼を想うだけで体が勝手に動いてしまった。

 はしたないかもしれないと憂う余裕すら無い彼女は、本能のままに両腕を伸ばして裕一郎の首に抱き着き、自らも恐る恐る舌先を動かしてみる。