そして、首筋にまた一つキスが落とされ反射的に肩が跳ねた。


「ほら、教えてください?」
(裕一郎様、なんだか変)


 裕一郎は、仕事で疲れている時は甘い言葉を多用したり接触の頻度が増える性格だという事は恋幸も既に理解できている。
 だが、彼女の知る限り今日の彼は短時間のテレワーク以外何も無かったはずで、疲労が溜まっているようには見えなかった。

 それなのに、


「小日向さん」
「……っ、くらも、と、さん」


 密着したまま、心の底から求めるような熱のこもった声で名前を呼ばれて、恋幸はどうすればいいのかますます分からなくなる。