慌ててコンロの火を止める恋幸の耳元に口を寄せ、裕一郎はのんびりとしたトーンで低く囁いた。


「小日向さん、“続き”はまた後で」
「は、い……」


 反射的にそう返してしまった恋幸の頭を、彼の大きな手がぽんと撫でる。


(続き、って……)


 淡く期待してしまう脳みそが、彼女の鼓動を甘く加速させていった。