――……キスされる。
彼女がぎゅうと固く目を閉じた、その時。
「……臭い」
「え!? ごめんなさい!!」
「いえ、小日向さんは良い匂いですよ。そうではなくて……焦げ臭くないですか?」
言われてみれば、と振り返った恋幸の目に映ったのは、見るも無惨な姿に変わり果てた元・フレンチトーストの姿だった。
真っ黒なその物体は、断末魔のようにシュウシュウ音を立てて彼女に助けを求めている。
「忘れてた……!!」
彼女がぎゅうと固く目を閉じた、その時。
「……臭い」
「え!? ごめんなさい!!」
「いえ、小日向さんは良い匂いですよ。そうではなくて……焦げ臭くないですか?」
言われてみれば、と振り返った恋幸の目に映ったのは、見るも無惨な姿に変わり果てた元・フレンチトーストの姿だった。
真っ黒なその物体は、断末魔のようにシュウシュウ音を立てて彼女に助けを求めている。
「忘れてた……!!」