不安が無意識に唇から落ちたタイミングで、恋幸の耳を低く穏やかな声音が撫でて、彼女は大袈裟なほどに肩を跳ねさせたあとフライ返しを持ったまま勢いよく振り返った。
そこにはつい先ほど名前を呼んだばかりの愛しい恋人の姿があり、喜びで頭の芯が震えたのも束の間に恋幸は顔を俯かせて自身のスカートを片手でぎゅっと握りしめる。
(なにか、なにか言わなきゃ……違う、まず謝らなきゃ)
「……私は……以前、貴女にもらった『私のせいで不快になる事は絶対にない』という言葉をちゃんと覚えていますし、信じています」
「!!」
躊躇うかのようにゆっくりと紡ぎ落とされたそのセリフを脳が理解した瞬間、恋幸はぱっと顔を上げて目の前の彼を見た。
そこにはつい先ほど名前を呼んだばかりの愛しい恋人の姿があり、喜びで頭の芯が震えたのも束の間に恋幸は顔を俯かせて自身のスカートを片手でぎゅっと握りしめる。
(なにか、なにか言わなきゃ……違う、まず謝らなきゃ)
「……私は……以前、貴女にもらった『私のせいで不快になる事は絶対にない』という言葉をちゃんと覚えていますし、信じています」
「!!」
躊躇うかのようにゆっくりと紡ぎ落とされたそのセリフを脳が理解した瞬間、恋幸はぱっと顔を上げて目の前の彼を見た。