『……“アレ”は禁止ワードでしたね。すみません、はしゃぎすぎました!』
「いえ、はしゃぐのは構いませんよ」
『ひゅ~! 優しい~!! さすが!!』
「切りますよ」
『すんませーん!! 恋バナしたいので切らないでくださーい!!』


 一向に反省の色が(うかが)えない縁人の笑顔に、裕一郎は「はあ」と一つ大きな息を吐く。


『で! 話を元に戻しますけど、そっすねー……一方的に誤解されて避けられた事ならありますよ』
「誤解……」
『あとは……まあ、超理不尽なケースですけど、夢の中で見たあんたがすごく嫌な奴だった! って、一日ずっと口聞いてもらえなかった事ならありますよ! 笑えるでしょ!』
「……」