「んっ、ん」
「痛くないですか?」
「だ、だいじょぶ、です」
「……良かった」


 触れられている事に対する羞恥心もさることながら、バクバクと跳ねる心臓に気付かれているのではないだろうかという考えが頭をよぎって恋幸の頬はどこまでも赤に染まっていく。


「大丈夫ですか?」


 裕一郎も所詮は一人の『男』だ。長く恋焦がれた女性に体を許されたとあれば、もっと触れたい・早く繋がりたいという本能から気持ちや行動が急いでしまっても誰も責める事などできないだろう。