恋幸はどさくさに紛れて彼の匂いを嗅いだところで、先日自分の唱えた「裕一郎様は仕事で疲れていると甘々になる説」をはたと思い出す。
「……あ、あの、倉本さん」
「はい。なんですか、小日向さん」
「つかぬことを伺いますが……その、倉本さんって、疲れているとあの……ひ、人を甘やかしたいな~とか、誰かを可愛がりたいな~って思うタイプなのでしょうか?」
もっとオブラートに包むべきではないかと勿論(さすがに)この数秒間で彼女も考えたのだが、どれだけ言葉を濁らせてもきっと裕一郎には本心が筒抜けになってしまうだろうという結論に至り、聞きたい内容そのままを舌にのせて口から落とした。
「……あ、あの、倉本さん」
「はい。なんですか、小日向さん」
「つかぬことを伺いますが……その、倉本さんって、疲れているとあの……ひ、人を甘やかしたいな~とか、誰かを可愛がりたいな~って思うタイプなのでしょうか?」
もっとオブラートに包むべきではないかと勿論(さすがに)この数秒間で彼女も考えたのだが、どれだけ言葉を濁らせてもきっと裕一郎には本心が筒抜けになってしまうだろうという結論に至り、聞きたい内容そのままを舌にのせて口から落とした。