「いりませんよ」
「い、いらなくないです! 返します!」
「……貴女は律儀ですね」
大きな手で頭を撫でられて恋幸は一瞬「裕一郎様だいすき」の感情に脳みそを侵されてしまったが、今回はほんの数秒で我に返り彼の手首をそっと掴む。
「ごっ、誤魔化されませんよ!」
「可愛がっているつもりだったのですが」
(んんっ……好き……)
完全敗北の瞬間であった。
「どちらにしろ、ここに住むという提案もエアコンの手配も私が勝手にした事ですし、貰っておいてください」
「い、いらなくないです! 返します!」
「……貴女は律儀ですね」
大きな手で頭を撫でられて恋幸は一瞬「裕一郎様だいすき」の感情に脳みそを侵されてしまったが、今回はほんの数秒で我に返り彼の手首をそっと掴む。
「ごっ、誤魔化されませんよ!」
「可愛がっているつもりだったのですが」
(んんっ……好き……)
完全敗北の瞬間であった。
「どちらにしろ、ここに住むという提案もエアコンの手配も私が勝手にした事ですし、貰っておいてください」